◇7.転生界とは

転生界は49段階ある

人間完成を成し遂げた生命体の行くべき世界が天上界でしたが、惜しくもあと一歩、わずかなところで完成に至らなかった生命体は、前述したように、然るべきのちに再び人間として生まれ、人間完成に向け再挑戦することになります。そのための準備を整える場としてあるのが、転生界です。

転生界は49段階あり、階段を上るように下から一段一段順番を踏んで上段へと上がっていくことになります。転生界の生命体は、本来の使命を悟りよろこびをかすごとに、上の世界へと昇っていくことになります。そうして、上の階に進むごとに、人間としての再生へと近づいていきます。

死後の生命体の世界は、そのレベルによって地上界よりも厳格に住む次元が異なる階級世界なのです。それは、地上界の比ではありません。死後の生命体の世界は、同じレベルの生命体が集まって一つの世界を作っています。その世界が、次元を異にして何層にも重なって存在しているのです。したがって、転生界に行った各々の生命体は皆一様に第1階に位置されるわけではありません。

人間界で歩んだ人生の評価によって、49段階のいずれかの位置に入ることになります。つまり、プラス、マイナスをどれほど刻んだか、どれほどの人をよろこばせたかなどのトータルの評価で、どの位置からスタートするのかが決定されるのです。最初からやり直しの場合は、もちろん転生界の最下位の1階から始めなければなりません。

転生界では地上界で人間をやったときに刻んだよろこびと苦が、まるでスクリーンに上映されるようにすべてさらけ出されます。苦もよろこびも余すところなくわが身に降りかかってきます。その過程を通して、自らの人生を省み、再び人間として生まれ出るまでの準備をするのです。

肉体のない生命体の世界ですから、もちろん男女という性別はなく、家族という単位も存在しません。個々の生命体がそれぞれ切磋琢磨するために日々研鑽している場なのです。

転生界が天上界と完全に異なっている点は、天上界は苦となるものがいっさい発生しない世界なのに対し、転生界は、そこまでにはまだ至らない点です。もちろん、肉体や心というものがないのですから、地上界と同じような苦痛や苦悩を経験することはありませんが、魂の進化レベルを上げるために常に学ぶべきことがあるのがこの世界なのです。転生界にいる生命体は、天上界へ進化するための準備期間という色彩が濃いのです。

生命体として、いかに万物と調和して生きていくのか、いかに天の意思をくんで自分を活かしていくのか、それらのことを転生界にいる間に段階を踏んで学び、成長していくことになります。そうして、一通りの研修期間が終わると、いよいよ肉体を持って人間として地上界に誕生し、これまで体得したことを人生を歩みながら実践していかなければならないのです。