◇5.「観い」とはなにか

人間は「身」「心」「観い」でできている

今まで述べましたが、私たちは、現世での死を迎えたからといって無に帰するわけではありません。たとえ肉体は滅んだとしても、生命体(魂)としての私たちは現に存在し続け、それ以後も長い旅路をたどるのです。

では、現世に生を受けている私たちは、いったい何から構成されているのでしょうか。これで人間をやりなさい、これで人間を完成させなさいと、天が私たちに与えてくれたものとは、いったい何なのでしょうか。

「身」と「心」と「おもい」。この3つが、その答えです。人は、この3つを道具をもって、現世に生かされているのです。

「身」とは、目に見え、触ることのできる肉体です。この肉体によって、人は周囲のあらゆる存在と交渉し、現象に関与します。「心」とは、身に備わった脳という小宇宙がつくり出す「意識の働き」です。これは知性という言葉に置き換えることもできます。そして3つ目の「おもい」とは、「無意識」とも呼ぶべき人間の中枢であり、身と心を統括するものです。魂、あるいは霊体と呼びならわされる「生命体」と直接リンクするのが、この「おもい」です。

以上の3つの道具は、もとよりどれひとつとして欠かすことのできぬ人間の必要条件であるのですが、なかでも最も重要なのが「おもい」です。なぜなら、この「おもい」こそが人間のすべての現実を創り出す根源であるからです。心身の健康や生活の善し悪しはもとより、眼前の現象すべてを創り出すエネルギーが、この「おもい」であるといえます。