◇3.人生80年の意味

永遠とも思える生命体の旅を経て

およそ80年の人生は、地球や宇宙の年齢に比べればまばたきするほどのわずかな瞬間にすぎません。しかし、その80年の人生を得るために、はるかな時間を要したことも事実なのです。この一瞬を得るために、永遠とも思える長い時間を、私たちは旅してきたのです。

しかしここが終着点ではなく、この地球上での人間生命体としての最終試験に合格し、人間生命体を卒業し人間完成しなければなりません。

80年の人生の究極の目的は、死を迎えたときに人間完成していることです。

生命体は、現世の10倍ほど(人生80年であれば800年)の時間的周期で軌道を一周し、始めも終わりもありません。生と死は、その円周上にある点です。すなわち800年という円軌道の中に生から死に至る80年があり、死から生に至る準備期間としての720年があります。もちろん、80年、800年は平均的な年数です。

生命体の軌道

必要に応じて生から死に至る期間が与えられ、どのような富豪であろうが、どのように貧しい人であろうが、どんなに健康体であろうが病状があろうが、人間は最後には死を迎えます。そして、死を迎えるまでの道程のなかで人間完成せず死んでしまえば、720年の準備期間を経て、始め(人生誕生)からやり直さなければなりません。

なぜやり直さなければならないかといえば、人間として完成していなければ、同じところを何度もなぞり直さなければならないという大自然の法則があるからです。

死は肉体次元の終着であり、人間完成という意味においては、最高のよろこびのなかで死を迎えないかぎり、絶対に終わりはありません。人間は、このサイクルの中で人間完成するための修行を行い、人間完成しないかぎり、何度も人間として生まれ変わります。ただし、人間として生まれ変わるといっても、すべてが白紙に戻って生まれ変わるということではありません。死を迎えるときの低い「おもい」のレベルを引きずったまま、人間として誕生してくるのです。また、自殺や苦の絶頂で死を迎えれば、次の人間誕生までに1〜2万年かかります。

人間完成がないかぎり、この円のサイクルから絶対に抜け出せません。人間完成し、最高の「おもい」で亡くなった人だけが、800年のサイクルの繰り返しから抜け出し、苦が一切なく、よろこびだけの天上界に行けます。