◇2.生まれ変わりの法則

幾千万の生死を繰り返した私たち

私たちの生命体は、目に見える世界と目に見えない世界を、幾度も行き来してきました。地球に生命が誕生してから36億年の歳月が過ぎているのですから、私たちが過去に何度も地球上で修行を積んできたことは、間違いありません。

私たちは今、たしかに人間として生きています。しかし、過去に地球に誕生したときには人間として生まれてきたわけではありません。種としての生物が、単細胞生物から少しずつ進化を遂げ誕生したように、私たちの生命体もまた、あらゆる生物に宿ってきました。太古、私たちはおそらく、原始の海に住むなんらかの生物に宿っていたことでしょう。あるいは野辺に咲く一輪の花であったかもしれません。ときに昆虫となり、空を飛び交う鳥となり、獣に追われる小動物となり、猛獣となり、与えられた環境のなかでそれぞれに修行を積んできました。

そのたびごとに生命体は進化し、ついに地球上での最後の修行の場が与えられることになりました。それが、人間として与えられた今この瞬間です。多くの生物種を抱える地球にあって、人間こそは、天が意図した最後の修行の姿なのです。

私たちの生命体が人間として誕生するまでには、気が遠くなるほどの時間を必要としました。幾千万の生死を繰り返し、幾億年のときをかけ、ここに今こうして存在しているのが私たちなのです。

動物から人間生命体へ進化するには大きな関所が存在しています。万物との調和、認識力、すべてが一定の合格点に達したときに初めて、人間に宿ることが許されるのです。それがいかに狭き門であったかは、私たち自身が良く知っているはずなのです。地球上のあらゆる生命体は、生命体としての進化の最終過程である人間に生まれることを熱望しています。

そのなかから、現に人間としてこの世に誕生できたということだけでも、奇跡をはるかに超えた現象と言えるのです。