◇3.人生80年の意味

ただ「今が最高」であるかどうか

今この世で人間をやっている人は、人間完成して死を迎えられるかどうかに挑戦している真っ最中の人です。私たちは、人間完成のために再度、人間の世界に生まれ、今度は天上界へ行くために「今」ここに存在しているのです。

人間の死とは、永遠の生命体が、与えられた80年の人生での修行の結果として「卒業(卒行)」、「留年」、「落第」の判定を受ける通過点です。

卒業(卒行)すれば天上界に行きます。天上界は穏やかな波動に包まれた苦が一切ない世界で、大往生したときのよろこびが永遠に続き二度と人生をやり直す必要がありません。天上界は21段階からなっており、その1階は、地上で刻んだプラス(よろこび)の「おもい」がマイナス(苦)の「おもい」より少しでも多い生命体が行き、プラスの「おもい」がマイナスの「おもい」を超えれば超えるほど上階へ行くことになります。

宇宙界と呼ばれる19〜21階の生命体は、宇宙のあらゆるところに自由に移動でき、地球上のすべての人間の行動や「おもい」を一瞬にして把握できます。また、9〜18階に行った生命体は、地球上であれば一瞬にしてどこへでも移動ができ、人間を指導できる能力が備わります。

留年の場合は、転生界に行き720年の準備期間を経て、前よりもさらに厳しい環境のなかで、再度人生をやり直す必要があります。

そして、絶対にあってはならないのですが、落第の場合は地獄界に行き、1万年から2万年の間そこにとどまらねばならず、人間として生まれ変わって人間完成の道を歩むことは困難となります。

世間ではよく極楽と地獄、あるいは天国と地獄という世界が語られます。子どものころ、いたずらをすると地獄に落ちるぞとおどされたものです。それらに共通する考えは、死後の世界のために現世で功徳や善行を積まねばならないということです。それには信仰を持たねばならないということに結び付けてしまうのです。

でも、それは本末転倒の思想です。人間は死後の世界のために「今」を生きているのではありません。「今」を最高に生きることで、死後の世界も苦のないものになるというのが真理なのです。