◇4章 頭を取る

3.病気との決別

「病は気から」という言葉があるように、すべての病気は、あなたの生きざま、つまりマイナスのおもいを発する生き方が原因になっています。苦の観いが、宇宙エネルギーを閉ざし、本来の喜びのエネルギーを、苦のエネルギーに転化させて、病気を誘発するあなたにしたのです。
大病や難病で苦しんでいる人、持病で健康的な生活ができずに悩んでいる人は、特にそのことに気づくべきです。なぜ、こんな病気になったのか。その本当の原因は何だったのか。突き詰めていけば、あなたの生きざま(生き方のクセ)にたどり着くことができます。これまでの生きざまが、あなたの心身のバランスを崩し、不自然な現象を生む原因になったのです。
宇宙エネルギーが不足して、生命力が弱くなれば、当然ですが「自然治癒力」が下がってきます。ということは、病気を引き寄せないためには、宇宙エネルギーが享受できる人間になればいいということです。
すでに述べた「天行力てんぎょうりき」が、あなたの体の中を通るようになれば、「自然治癒力」は回復し、さらに強化されます。つまり、人間本来のバランスを取り戻して、病気が入り込む余地さえない自然なままの心身になることができるのです。
自然治癒力というのは、もともと「自分の体は自分で守る」という生命の備えです。その治癒力を、自ら発揮できなくさせたのは、自分以外の何者でもありません。まず、このことに気づくべきなのです。
ただ、すでに病気で苦しんでいる人には、このような苦言を言っても始まりません。そこで、「あなたの病気は、あなたの生き方が間違っていたことを教えてくれるシグナルである」ということに気づいてください。そして、医療や薬に全面的にすがるのではなく、プラスの観いがいてくる生き方をして、あなたの自然治癒力が、そのすごい力を発揮できるようにすることです。
病気になると、多くの人は〝弱気〟になってしまいます。そして、他の人に頼ろうとするあまりに、病気そのものにこだわり、「握って」しまうのです。病気を治したいと思いながら、無意識の内に病気を逃がさないように自分でしているのです。
「私の病気は治らないかもしれない」と不安や悩みを募らせながら、自ら病気にこだわり、病気のことばかりを考え続けて、ますます病気を握りしめてしまうのです。
そのアタマをまず取ること。そして、病気も含めて「握っている自分」のすべてを解き放ち、自然の法則の中に身を委ねていく。そうすれば、不自然な自分が、少しずつ自然な自分に戻っていくことが実感できるようになります。あなたの療養生活はそこからスタートなのです。
今日の社会は、病気と付き合う人々が増えています。それだけ健康で元気に生きている人が少ないということです。
「現代人は生命力が弱くなっている」
異論を持つ人は、案外少ないのではないでしょうか。
生命力が弱いから「真の元気」が出てこない。だから、すぐに風邪をひく、頭が痛くなる、疲れて寝込むのです。そればかりか、ストレスに弱くなり、原因不明の心身症にかかってしまうのです。
現代人の大半は、このように何らかの心身の不調を抱えながら、日々の活動を行っています。自分の持てる力を100%活かすことなく生きているのです。このような生き方は、あまりにも不自然です。
「真の元気」を取り戻して、エネルギッシュに生きるべきです。そうすれば、毎日が活気にあふれてきます。「おはようございます」という声も、自信にあふれ、誰から見ても好感の持てる「いい顔」のあなたになれるのです。
「病気にならないために……」と運動したり、栄養剤を飲んだりするのは、表面的な方法に過ぎません。「病気になるはずがない」「病気になるほうがおかしい」のが、人間の本来の姿なのです。