◇5章 ただ繰り返しの法則

1.大自然のリズム

この大宇宙に存在するものすべて、すなわちあらゆる物質の最小単位である原子核やその周りを回転する電子、地球上のすべての生物、地球を取り巻く海洋や大気の対流と循環の繰り返し、さらには太陽の周りを回転する惑星、銀河の渦の中で回転を続ける太陽、銀河と銀河の壮大な運動の繰り返しまで、極小から極大まで、一切は繰り返しのリズムを持っていて、しかもすべてが調和して運動しています。
稲穂ひとつからもこのリズムを見て取れます。
春、一粒のもみが芽を吹き出し、日が長くなるとともに目にもそれと分かるほどの成長を遂げ、夏の盛りには緑まぶしく、その中に実を宿していきます。秋になると実をつめた稲穂は、動物の命を養います。そして、残った実は種子として、翌年にまた四季の繰り返しと同様に生命の循環を繰り返します。
一切は大自然の不可分な一部として、流れるように日々を繰り返していきます。これが、実を結ぶ「ただ繰り返し」のリズムであり、私たち人間が、そのアタマによって見失っているリズムです。
宇宙が波動から成り立っているということを分かりやすく解説した、足立郁朗氏の『波動の法則』には、このような内容があります。

宇宙空間は、クォークという微粒子で埋め尽くされています。
クォークは宇宙に充満した、現代の科学技術では検出できないほどの最小単位なのですが、回転運動をしてエネルギーを生み、それが集合して物質を生み出します。簡単に言うと、宇宙の仕組みはこの繰り返しから成り立っています。
極小物質である原子核から極大物質である宇宙まで、すべては、埋め尽くされたクォークでつながっています。空気であろうが、真空であろうが、クォークで埋め尽くされているのです。
すなわち、人間の極小単位である原子核も、クォークの集まりで成り立っているのですから、人間は宇宙の一部であり、地球上の動植物はもちろん宇宙の果てともクォークを通してつながっていることになります。
少し専門的になりますが、現代科学で検知できる最小単位である原子核は陽子と中性子から成り立っており、陽子も中性子も回転運動を繰り返すことで、振動波を発振し、また受振をしています。
我欲のない人間は、自然の法則にかなった調和のとれた陽子や中性子を持っているため、調和のとれた振動波を発振し、かつ、調和のとれた振動波を受振して進化します。ちょうど、ラジオやテレビが弱い電波を発して同じ周波数の強い電波を受け入れるのと同じ仕組みです。
逆に、自我の強い人間は、不自然で不調和な陽子や中性子を持っているため、不調和な振動波を発振するので、周辺の動植物や人間に悪影響を与え、かつ、周りの不調和な振動波を受けるので、自我はますます強くなり、それが精神的肉体的な不調として表れます。
地球上の人間は、ほとんどが自我が強く、歪んだ中性子・陽子を持っているので、不調和な振動波が、自分の身体、周りの空気、周りの構造物、さらには動植物に干渉して中性子・陽子を歪めます。

そうです。拙著『人間のしくみ』で述べた、まさに「地球環境は人間環境」というのは、こうした原理からも真理として裏づけることができるのです。
ウイルスや病原菌というものは、正常な中性子・陽子でできていたものが、たとえば欠けたり、つぶれたり、歪んだ状態になることでできたのです。最近は陽子が大きく歪みだし、ヘルペスウイルスやガンウイルス、エイズウイルスが生まれてきます。
病原菌を失くすためには、病原菌になっている歪んだ中性子・陽子を正常に戻してあげればいいのです。その一番簡単な方法は、正常な中性子・陽子の強力なエネルギーの振動波を歪んだ中性子・陽子に送ることです。そうすれば、波動の性質から、干渉して歪みが取れて元に戻るのです。
薬というのは病原菌を殺す、破壊するという形で病原菌の中性子・陽子をさらに歪めていきます。さらに、薬は種類の違う歪んだ振動波を新たに作り出すので、新しい病原菌が生まれるのは当然のことなのです。新型コロナウイルスの発生も、そこに起因しています。
足立氏の見解により、地球上のすべての不自然な出来事は中性子・陽子レベルでの歪みが原因であり、その修正方法も分かっていますが、その歪みを修正する具体的な方法が分からなかったのです。
しかし、本書をお読みになった方はもうお気づきのことでしょう。
私たちがアタマを取って、天行力てんぎょうりきを十分に受けることのできる自分に変わることにより、天行力によって私たちの身体を構成する陽子、中性子の歪みが取れるであろうということ。そして、私たちが調和のとれた振動波を発振し、受振することができるようになることで、地球に本来の自然を取り戻すとともに、一人ひとりに喜びがいてきて大自然のリズムを刻み、大自然と一体になることができるであろうということにです。