◇4章 頭を取る

2.「生きる」ことを絶対にあきらめないで

近年、日本における自殺者の数は減少してきているとはいえ、いまだにおよそ2万人を数える年が続いています。交通事故による死亡者よりはるかに多いのです。
過去の統計によると、自殺原因になるのは健康問題(病気)がもっとも多く、次いで経済・生活問題(貧困)、家庭問題、勤務問題(仕事、職場の人間関係)と続きます。
自ら命を絶つ人は、自分の悩みが頭の中で作られたものだとは想像すらできず、悩みに悩んで、その悩みを生命そのものよりも大きく育てていってしまったのです。そのことに早く気づいてアタマを取っていさえすれば……。そうすれば、おもい通りの新しい人生は、いくらでも開けていたはずです。
もうひとつ残念でならないことは、「生きる」ということを、あまりにも簡単に諦めてしまうことです。もちろん苦しみ抜いて、もがき続けた末の決断だったはずですが、生命の力が弱く、真の元気がいてこないと、どうしても「生きる」ということにさえ弱気になってしまうのです。
人間のアタマがいかに生命力を阻害しているか、いかに「生きる元気」を奪っているかということです。
前著からすでに述べてきたように、私たち人間は「喜びの表現体」として生まれています。そして、天の使命を受けて「生かされている生命」なのです。あなたの生命は、あなた一人のものではありません。いかなる理由があろうとも、決して自らの手で死を選んではいけないのです。
もし、あなたがどんなに落ち込んでも、大問題で悩んでも、死を考えてはいけません。それは天の意志に逆らい、自らの生命を冒とくすることになります。
この世にはもともと、人間が悩む問題は何ひとつありません。悩みは、あなたの頭が勝手に作り出しているのです。このことを、ぜひ覚えておいてください。