このように、宇宙エネルギーは、私たち人間が生きていく上で、そして人間としての役割を果たし、その生を全うさせるためになくてはならないものなのです。
とても大切なことなので繰り返しますが、私たち人間は、その宇宙エネルギーを、自らの「頭」のために通りにくくさせているのです。そして、自らの生命力を弱くさせてきたのです。
だから、本来持つ自分の生命力を発揮させるためには、頭を取るしかないのです。
さて、ここまで宇宙エネルギーの大切さと、頭が問題であることを説明してきましたが、もうひとつ先に話を進めてみます。
前著『人間のしくみ』で述べたように、私たち人間は、天の意志によってこの地球に誕生しました。そして、「幸福な人生」を送ることが、あなたの「生きる使命」であることも説明した通りです。
天は、その使命を全うできるように、必要なものをすべて整えて人間に与えてくれていますが、その準備には、人知を超えた驚くべき周到な内容が含まれています。
それは、人間がどのように迷っても、道を踏み外しても、必ず正しい道に戻り、人間としての真の生き方ができるように、ある特別な力を与えてくれているということです。
それが「天行力」です。
先に、宇宙エネルギーが、すべての根源になる唯一のエネルギーであると説明しましたが、「天行力」も根源は同じ宇宙エネルギーです。それでは、なぜ「天行力」だけが特別の名称を付けられ、宇宙エネルギーと区別されているのかというと、それには理由があります。
宇宙エネルギーは、万物を創造し、また天地に充満して大宇宙を運行しているエネルギーです。
それに対して「天行力」とは天の意志によって、天から直接、私たち人間に届けられている宇宙エネルギーなのです。つまり、無二の力を与えられている、高次元であり高波動の宇宙エネルギーなのです。
天行力は、常に天から降り注いでいて、宇宙エネルギーと同じように私たち人間の頭から足裏に向かって体内を貫通します。そして、生命を生かし、生命を活性化するエネルギーとなるのです。その意味では宇宙エネルギーと同じ働きをするのですが、天行力は、宇宙エネルギーよりもはるかに強く、また、天の意志を人間に伝える役割を持っているのです。
これに近い言葉に「神通力」があります。広辞苑によると「人間の思慮でははかれない不思議な霊妙自在の力」という説明がなされている言葉ですが、「天行力」は、この神通力を含めて不思議とされる力の大元になっている力であると言えば、より正しいイメージが得られるのではないでしょうか。
そして「天行力」は、宇宙エネルギーを純粋に凝縮した強力な高波動の生命活性エネルギーであり、天の意志が込められたエネルギーであるということを覚えておいてください。
さて、天は、宇宙エネルギーによって万物を創造したにもかかわらず、なぜこのような特別の力を、私たち人間に注いでいるのでしょうか。この問いの中には、天の愛の深さに気づくヒントと、私たち人間が抱えるとても大切な問題を解くカギが込められているのです。
◇3章 私たちを生かし続ける壮大な力