前著『人間のしくみ』で、私の生い立ちや、天と出会って自然の法則を知り、それを実践するまでの決して平たんとは言えない道のりを記しました。
こうして本を書けるいま、自身の人生を振り返ると、自殺まで考えた過去の苦難はすべて自分にとって必要な過程であったということ、そして、その道のりがあったからこそ天の存在を知り、宇宙にあまねく存在するエネルギーを知り、不変の真理を体得することができたのだということが痛いほどよく分かります。
「悩み苦しみがあるほど幸せになれる」
これは過去に著した本の題名ですが、この世に生きる誰ひとりとして真剣に生きていない人などいません。皆いまよりももっと恵まれた生活を望んで、そのための努力を惜しまず、それゆえに生じる悩み苦しみの中にささいな喜びを見つけようと懸命に生きています。一見気楽に生きているような人だってそうです。人知れず何かに思い煩い、そのために悶々とした日々に身を委ねるほかないのです。
そうです、その悩み苦しみの度が深ければ深いほど、私のように極限状態から再起でき人生が開ける可能性を秘めているのです。
そのためにも、人間が生きてきた経験や、蓄えてきた博識だけではどうにもならない法則が、この宇宙には厳然と存在しているということをまずは知ることが、真の幸福を実現する最短の道だということを、本書によってお分かりいただけたなら、私にとってこれ以上の幸せはありません。
かつての私がそうであったように、苦難に押しつぶされそうになったときにこそ、真理を見定められる目を持っているかどうか、天は見ているのだと私の経験から言い切れます。
本書の冒頭で、医学に関する問題だけではなく、自然災害、経済危機から個人の悩みに至るまで、すべて解決策はあると述べました。そしてその解決のカギをあなた自身が握っているとも述べました。さあ、あとは足を一歩前へ踏み出すかどうかは、あなた自身が決めることです。
本書にはあなたが見聞きしたことのない言葉も記しましたので、少々堅苦しく感じたかもしれません。天から示されているありのままの法則を活字に置き換えることは容易ではありません。しかしながら、自然の法則はきわめて単純明快です。
要は、あなた自身が、朝目覚めてスッキリと立ち上がり、さあやるぞ!とやる気に満ちて、一日に希望を抱くことができる。目に映るものすべてが新鮮に見えて、家庭内も人間関係もうまく運び、やることなすことすべてうまく運んでいく──そんな生活を我がものにできたら、もうしめたものなのです。
本書を最後までお読みくださり、ありがとうございました。
著 者