9、今日から実践できる「七つの言葉」

般若天行を繰り返すことで観いを変えていく重要性を述べました。般若天行は決してありがたい経典などではなく、苦の観いを喜びの観いに変えるための「道具」です。

実は、この般若天行に加えて、プラスを刻む道具がもう一つあります。
それが「七観行ななかんぎょう」です。

七観行とは、般若天行の言葉を現代の言葉に置き換えたものにほかなりません。本来の人間の姿を説いた般若天行の要旨を、分かりやすい言葉に表現したのが、この七観行です。
ぜひ声に出して、3度繰り返し口ずさんでみてください。

一、健康あふれた楽しい毎日です。
二、家族全員がゆたかで明るい毎日です。
三、希望にみちあふれた繁栄一筋の毎日です。
四、よろこびがいっぱいの毎日です。
五、感謝にみちた幸せな毎日です。
六、いつも楽しく三法行さんぽうぎょうをやらせていただく毎日です。
七、親切あふれた生かしあいゆるしあう毎日です。

※三法行とは、前項でお伝えした3つの実践法のことです。

初めてこの七観行を口ずさんだだけでも、言葉の持つエネルギーを感じるという人がいます。
この七つの言葉を具現化した存在こそ本来の人間の姿であり、人間という存在の本質的なあり方が、ここに表されています。

この本来の人間の姿は、すべての人が誕生と同時に与えられているものです。つまり今たとえ病気であったとしても、病気という状態の底深くには、この本来の姿が必ず潜在しているのです。

七観行には「健康あふれた楽しい毎日です」があります。
すると、病気に悩んでいる人が質問します。
「私はいま病気なのに、『健康あふれた楽しい毎日です』となぜ言わなくてはならないのか。『健康あふれる楽しい毎日になりたい』なら分かるが、それでなければ嘘をつくことになる」
しかし、それは間違っています。
本来の人間は健康そのものなのです。目に見えないところには、健康だけがあります。そのように、天から命というものを授かっています。
ところが、苦を刻み、自らの手で病気をつくってしまい、それを苦にしてさらに病気を悪化させていく。「その病気を治してください」と言葉に出して言うと、さらにもう一つこだわりの「苦」を刻むのです。

「健康あふれた楽しい毎日です」と、「本来の自分の姿」を素直に言える生活になれば、いやでも病気は癒える方向に進みます。健康を手に入れたいから言うのではなく、「本来の自分の姿」を堂々と口に出して言える自分になることが、とても大切なのです。
「本来の自分」を口に出していると、病気であっても、病気が苦にならなくなります。病気である自分、病気というものにこだわらなくなるからです。
それこそ、「七観行」と「般若天行」が自分のものになった人に与えられる徳です。

七観行を実らせていくただ一つのコツは、願わず、求めず、頼らず、ただ繰り返して口ずさむことです。

人間は吐いた言葉の通りを、また吸いこみます。「嫌だ」という言葉を吐けば、その「嫌だ」を吸いこみます。それを繰り返せば、現実は吐いたとおりの「嫌な」現実になっていくのです。
七観行は平易でやさしい文章なので、一度憶えてしまえば、散歩や掃除をしながらリズミカルに吐くことで生活が楽しくなっていきます。
たとえ病に苦しんでいても、金銭苦に疲れ果てていても、この七観行の言葉を繰り返して吐きます。

このエネルギーは、実に大きいのです。

このエネルギーが、誕生と同時に与えられた本来の人間の姿を揺り起こします。今は眠っている「潜在する本当の自分」、「眠っている本来の満たされた人間としての自分」を、知らず知らずのうちに引き出していくのです。

私たちは目に見えることのみを現実であると思うのに慣らされ、自分の中に眠っている本当の人間に気づきません。目にみえる不幸な出来事を唯一の現実だと思いこみ、それが実体のない虚像であることには、なかなか気づかないのです。
七観行は、このように閉ざされている人間の真実をみる目を、一気に開かせてくれます。