家の手伝いから木工の仕事をするように
―― 子どものころから家のお手伝いをされていたのですか?
■ 大きいタバコ農家だったので、家の手伝いもしていました。戦時中でしたので、疎開も経験しました。ビー玉、メンコなどで遊んでいました。
―― 活発な子どもだったのですね。
■ 当時は体を使って遊ぶことしかなかったので、外で元気に遊んでしました(笑)。長男と私以外は大学を出ていますが、私は勉強をしませんでしたね(笑)
―― お手伝いは面白かったですか?
■ 中学を卒業してから1年半くらい百姓をしていたのですが、百姓だけでは物足りなくなっていたころ、木工の仕事をしていた借家の人が、人手が足りなくなったので、私に手伝いをして欲しい、と父に頼んだのがきっかけで、住宅の骨組みを作る木工の仕事をするようになりました。ただ、年中木工の仕事があるわけではなかったので、百姓と木工の仕事をしていました。
―― 働き者ですね。
■ 街に遊びにいく仲間から、電気の内線工事に携わる仕事の話があってしばらく携わったのですが、かなり危険を伴ったので、途中で辞めさせてもらい東京に行くことになりました。
―― 東京はいかがでしたか?
■ 着いたのが江戸川あたりだったと思うのですが、畑ばかりだったんですね(笑い)。東京なのでにぎやかなところだと思っていましたから、ちょっと拍子抜けでした(笑)。
―― 楽しかったですか?
■ 楽しいこと、つらいこと、いろいろありながら、20歳から28歳まで江東区の現場にいました。うれしかったことは、職場の先輩に成人式用の背広を作っていただいて、成人式に出席したことです。
―― 良い人と出会われましたね。
■ つらかったことは、現場で人と交代したときに足場から落ちて足を骨折したことです。そのときはその人を恨みましたが、後になってから事故に遭ったことはしょうがないことだと思うようになりました。その後、そのけがが原因で一時的に田舎に帰りました。
大自然と調和した生活から自然の法則と出会い
―― その後、高層ビルのお仕事に?
今の現場は仮設のエレベーターがありますが、当時(高度経済成長期、昭和30年から50年ごろ)は、大きいビルになると下から30~40メーター、一番高い時で50メーターを階段で上に登っていって、地上に降りるのが大変なので、登ったままで一日で過ごしていました。
―― 今の日本の基礎づくりをされていたんですね。
■ そうですね。測量して穴を開けてあるところに工鋲を打ち込むのですが、穴が少しズレていると電動ドリルで穴を正しく開け直しました。その電動ドリルの威力が凄いので、力を緩めると電動ドリルに振り回されたりしました(笑)。さらに、工鋲を止めるのにエアー鉄砲を使うのですが、その音がもの凄く大きく2キロ先まで聞こえるくらいの音がしていました(笑)
―― 全身を使う、大変なお仕事でしたね。
■ 長生きするには、酒もタバコもダメですね(笑)。でも、父には酒を飲まないと、人との付き合いができない、その人の本心が分からないと言われ、職人仲間からも酒、タバコを飲まないと出世できないと言われ、23歳で酒、タバコを覚えて、60歳になったときに、健康のことを考えて止めました(笑)。私の健康法は、よく寝て、よく食べて、よく動くことです。晴れの日はなるべく電車に乗らないようにして、自転車で移動しています。
―― 大自然と調和した生活ですね。どのくらいの距離、自転車に乗られるのですか?
■ 10kmくらいを散歩がてら自転車に乗っています。
―― 健康的ですね。自然の法則の本に出会われたのは?
■ 7、8年前に本をいただいていたのですが、そのときはいただいただけで、何もしませんでした。昨年夏、ベンチに座っていたら、別の方に声をかけられ、一日三法行を書きなぞりました。
―― 法筆してみていかがでしたか?
■ やりがいがあって、面白いと思いました。そのまま続けたいと言ったら、次の日に法徳30日の三法行帳をくださいました。
三法行が趣味に
―― 法筆をされて、何か変化を感じましたか?
■ それまでは「おはよう」や「ありがとう」を社交辞令で言っていましたが、今は感謝のおもいで「ありがとう」と言えるようになりました。
―― 大きな変化ですね。天行力手帳を持って、正式に三法行をされるようになってからは?
■ 天行力手帳は、ちゃんと枕の下に置いて休んでいます。法座のときも、天行力手帳を右手の平に乗せて、大きく深呼吸するように心がけています。
―― 毎日、正しく三法を実践されていますね。
■ はい。朝起きて窓を開けて(夏・冬関係なく)、部屋の空気の入れ替えをしてから、太陽に向かって「天華空観深息導行」を7回行ってから、朝食の支度をして、朝7時から「あさなる」を実践しています。あさなるのCDで実践するようになってから、法唱ができるようになりました。それまでは、三法行帳の手引きを見ながら法唱をしていたので、リズミカルにできていませんでしたし、全然覚えられませんでした。また、あさなる会館に来て皆さんと一緒に実践ができませんでしたので、CDがあって良かったです。
―― 超天行力天授大祭に参加されましたね。
■ 超天行力天授のとき、法主さまの呼吸が凄く、体は熱かったのですが、それが何かは分かりませんでした。
―― 超天行力がよく流れたのでしょうね。
今後に向けての抱負をお聞かせくださいますか。
■ 三法行って凄いですよね。人を変える力があるというか、変われるというか、何かわからないですけれど、三法行を繰り返していると、自然と自分の中から、今までの自分とは違う自分が出てきたんですね。仕事柄、現場が多かったので言葉遣いも荒かったのですが、言葉が丁寧になっています。今では三法行が私に趣味になりました。今後も自分のペースで三法行を繰り返し行っていきます。
―― ありがとうございました。