私は、昭和26年、公務員の父の下に、弟と2人きょうだいの長女として生まれました。母方の祖父母、きょうだいが隣近所にいて、幼いころは、いつもいとこたちと遊んだものです。おとなしい性格で、運動も苦手、反抗期もなく過ぎたようです。
若くして母が亡くなり、父も自律神経失調症に
母親は貸本屋をやっていて、小学生のころは、本の仕入れによく付いていきました。高校に入ってからは、母が持病の糖尿病で入退院を繰り返すようになり、食事の仕度は父が受け持ったりしました。卒業後は、銀行に就職し、平穏に過ぎていきました。 しかし、23歳の9月に母方の祖母が亡くなると、10月にはその後を追うように母が49歳の若さで旅立ってしまいました。父の落胆はとても大きく、自律神経失調症で体調を崩しました。母がいなくなった家で、仕事柄、父は一日おきに家におらず、弟は仕事から帰ったら寝るだけ――。交流もなくて寂しく、私は家族の多い所に嫁ぎたいと思っていました。
結婚後も流産、また次女の難病と苦難が続き
9年間の銀行勤務の間に、私は何度も見合いをし、今の主人と結婚しました。両親と弟がいる5人家族になり、うれしかったです。 すぐに子どもを授かり、にぎやかになっていきましたが、4人目の子どもを流産で亡くし、私も急性心不全で生死の境をさまよいました。幸い、九死に一生を得たのですが、次女のネフローゼ症候群が発症しました。それからは、全てのことが次女中心になり、入院も何ヶ月となって、他の子どもたちに寂しい思いをさせてしまいました。今思えば、相当な苦を刻んでいたと思います。
阪神淡路大震災の年、6人家族の3人が病人で
そんな中で、私は1冊の本を通じて大自然の法則に出会うことができました。当時のわが家は、次女のネフローゼ症候群のほかに、しゅうとめが糖尿病、私は手足にしっしんができる病気と、6人家族で病人が3人もいたのです。また、その1995年は、1月に阪神淡路大震災、3月に地下鉄サリン事件がありました。大変な出来事ことが連続し、世の中、これからどうなっていくのだろうと、自分の中の不安、恐怖心も大きくなってきて、何とかしなければと思っていたところでした。
家族が皆「頭」を取って
私は本に感銘を受け、主人にも本を読んでもらいました。問題の原因は喜べていない自分にあったのです。私は著者である法主さまの講演会に参加しました。天行力(てんぎょうりき)受身は、衝撃でした。法主さまの吐く息がすごい風になって、私の心臓をめがけてくるのですが、跳ね返るのがわかりました。終わると震えていました。 その後、三法行(さんぽうぎょう)を申請し、説明会に参加して、問題の原因である「頭」を取る過程を歩みました。 頭が取れて、病気を問題としない自分に生まれ変わると、1年の間に家族全員と実父が頭を取り、自然の法則に沿った生活をするようになりました。それまでの私は、家の中で家族に逆らうこともあまりなく、言いたいことも言えなかったのですが、「頭」を取ってからは、思ったことを言えるようになりました。また、なにかじっとしておれず、人のために動かずにはいられないようになっていました。
気付きとともに主人に感謝がわき
それから、家に流れているものを変えて、次女の入退院の世話もしながら、夫婦で前へと進む繰り返しをしていたのですが、次女はこの世を去りました。その後しばらくは、私だけが三法行など自然の法則に沿う繰り返しをしていました。 その過程で気付きがありました。今まで自分勝手で相手の気持ちを無視してきた私。ざんげとともに、自分のことを思ってくれた家族、いつどんなときも最後は助けてくれた主人に感謝がわいてきました。
次女の観いも変えてあげることができ
それからは家族や主人に必ず話をして行動していると、とても楽になりました。近所の方のあさなる会に参加し、朝7時の三法行、また生まれてから今までの観(おも)い、5代前からの先祖の観いをプラスに変える法筆行を繰り返して3年ほどしたある日のことです。主人が自分も朝一緒に三法行をすると言ってくれたのです。本当にびっくりしましたが、とてもうれしかったです。 それからは、夫婦2人で行事に参加することも増えてきました。そうした過程を経て、亡くなったしゅうとめや娘の観いも変えてあげることができ、夫婦して心底あんどしました。次女が喜んでいるのが伝わってきて、これまで歩んできて本当に良かったと思いました。
「思っていた通りの生活ができるようになった」と
また、名古屋地域のお世話をさせていただくようになり、皆さんと「超写経のすすめ教室」を楽しく行う中で、三法行を実践する方も出てきました。街角に立って、『人間聖典』を引いてもらっていて、「あなたの笑顔がすばらしい」「あなたと話していたら、元気になった」と言われたときには、私を通じて大自然のエネルギーを感じてもらえたと思え、本当にうれしくなりました。笑顔になってもらえばいい、それだけでいいと思えたのです。 三法行の繰り返しを始めた方からは、「思っていた通りの生活ができるようになり、一緒にあさなる会をやってもらえて感謝しています」と言ってもらえたこともあり、三法行のすばらしさを再認識しました。
大自然の法則に触れられる場
毎月、婦人会のスタッフとして、大自然のエネルギーと感謝の観いのこめられた「天華食」のレシピを作り、7年余り、皆さんに喜んでいただいています。今までゆっくりと地域の皆さまと楽しく交流させていただきながら、ここまで歩むことができました。本当に感謝でいっぱいです。 地域で行われている教室や楽しい催しに足を向け、多くの皆さまに大自然の法則に触れ、よろこびいっぱいの人生への糸口をつかんでいただけたらと思っています。