では、どうすれば「プラスの努力」ができるようになるのでしょうか。
そのポイントは3つあります。
まず1番目は「本当の自分」に気づくことです。
本当の自分を知るというと不思議に思われるかもしれませんが、頭の中で判断する自分というのは、実は本当の自分ではありません。「これが自分だ」と勝手に思い込んでいるだけなのです。
本当の自分というのは、あなたの想像をはるかに超える素晴らしい力を持っています。私たち人間は、その力のほんの一部しか使わずに生きているのです。人間は脳細胞の5%しか活用していないと言われていますが、他のすべての力においてもそうなのです。
この素晴らしい力をうまく引き出すことができたら、自分を変えることも、人生を変えることも十分に可能になってくるのです。
実は、そのための努力こそ、本当の努力であり、プラスを生み出す努力なのです。
それを可能にするためには、まず「本当の自分」に気づくことです。そして、自分の内に潜む〝力〟の存在を信じることです。そうすれば、あなたは、自分自身に対して、かつてない自信を誇りを感じるようになれます。それだけの価値をあなたは持っているからです。
2番目に知っていただきたいことは、頭の中で考えるのではなく、「行動する」ということです。
よくあるケースですが、頭の中であれこれ考えて悩む努力を、「私はこんなに努力している」とカン違いしている場合が結構あります。また、努力を実行している人でも、実際には、行動することより、頭の中で考える努力にエネルギーの大半を注いでいる人が多いものです。
人生における成果は、すべて行動から生まれます。頭の中でいろんなことを考えても悩みしか生まれません。しかし、行動すれば、必ず何かが変わってきます。その変化があなたを変え、新しい人生へと導いてくれるのです。
「まず行動ありき」という格言がありますが、まさにその通りなのです。努力の目的と方法さえ正しければ、ただそれを繰り返し実行するだけで、自然に成果は生まれてくるのです。
3番目に知っていただきたいことは、「努力は楽しい」ということです。
多くの人は、努力という言葉に決して良いイメージを持っていないようです。過去の苦労した経験、失敗した経験から、努力は苦痛だというマイナスイメージが植え付けられているのでしょうか。「努力は必要だが、できればしたくない」と敬遠する人が多いようです。
努力に関して、ぜひ覚えておいていただきたいことは、「間違った努力は実らない。苦しい努力は続かない」ということです。そして、「努力は楽しみに変わり、楽しみは喜びに変わる」ということです。
人生を素晴らしいものにする努力が、単なる苦痛であったら、それは何かが間違っていると言えるでしょう。努力というのは、本来、「自分にできる努力の積み重ねが成果を生み、その成果が楽しみを生み、楽しみが増幅して自分にも周囲にも喜びが生まれる」という発展形になるものです。
このことは、趣味を例にあげるとよく理解できると思います。趣味に没頭しているときは、どんな努力も楽しくて仕方がなくなります。山登りをしない人は、「そんなに辛い思いをしてまで山に登りたくない」と思うでしょうが、山登りの好きな人にとっては、むしろ他人に辛いと思われることが〝喜び〟になるほどなのです。
人生も同じことです。自分の人生を自分で思うがままに生きる──。その努力が楽しくないわけがありません。いつまでも際限なく歯を食いしばって頑張る人生や、他人に負けないために努力する人生ではなく、本当の自分のあり方で、実りある努力を、楽しみながらただ繰り返すこと。それが、あなたにとっての〝最高の努力〟であり、人生を活かすノウハウなのです。