私は生まれてから成人するまでを愛媛県今治市で過ごしました。経営者の父はきわめて厳格だったため、叱られないように「よい子」として立ち回る自分がいました。
両親はとある宗教団体に所属していました。その影響で、私は学生のころから熱心に宗教活動を行いました。
自殺未遂から両親への思いが変わり
一方で、私は父から逃げ出したいといつも自殺願望を抱いていました。10歳のとき、自殺を試みて未遂に終わったことがありました。その出来事を通じて強くなった私は、両親への思いが変わっていたのです。――「私が死んだら、両親の笑顔が一生泣き顔になる。両親にそんな人生を歩ませることはできない。両親のために、いつも両親の笑顔が見られるように生きていこう」と。
やがて経営に行き詰まって会社をたたむことになった父へ送金してあげようと出向いたのが、縁あってその後の日々を送ることになる石川県でした。
末期ガンの母のために「頭」を取って
平成7年、私は1冊の本を通じて、大自然の法則に出会いました。父をガンで亡くして間もなく、母も末期ガンだと知らされ、どうしてこんないい人が……とショックを受けていたころでした。宗教の限界を感じていただけに、本に書かれていることこそ本物だと感じたのです。
母を何とかしてあげたいと、私は「頭」を取りにいきました。その過程では、「お母さん、ガンになってくれてありがとう」というおもいがいっぱいになり、やがて、おなかの底からよろこびが突き上げてきたのです。
暗かった家が明るくなり
母の病を通じて見えてきたもの――それは家の生きざま・死にざま・自分の生きざまなど、自分が本来持っている底力など、目に見えていなかったものでした。
「頭」を取る過程を歩み終えると、暗かった家が明るくなり、笑い声が聞こえるようになりました。私のすっかり変わった姿を見て、身内の者たちも私の後に続きました。家族とも心の底から打ち解けることができました。
母は、その後2年間生き、安らかに旅立ちました。
人間塾でよろこびがわき
しばらく行事からは足が遠のいた時期がありましたが、三法行(さんぽうぎょう)は欠かさず繰り返ししていました。私は人間塾に入塾したころからよろこびが強くわいてきて、その後は新たなプログラムに一つずつ参加し、地域の周りの方々とともにステップアップしてくることができました。
大自然に関わることをやってみたく
その中で、私は人間塾のエコロジスト活動の一環として、「食と器のまんぷくの会」を発足させ、地域の方々が参加する中で、楽しく行ってきました。大自然に関わることがやってみたいと思いながらも何の取り柄もなくどうしたものか、誰かの手を借りるしかないと地域の行者仲間で陶芸家の方にご相談にいきましたところ、快諾してくださったのです。
「食と器のまんぷくの会」を発足
計画を立てていると、器作りだけでなく、大自然のエネルギーをたっぷり含んだ旬の食材で作った伝統食を、感謝のおもいでいただく天華食も、癒やしもあれもこれもとわいてきました。そのおもいのまま、「土に触れて心を癒やし、天華食をいただいて身を癒やし、身と心をまんぷくにする」というテーマが定まりました。この会を通じても、私がやっていることならやってみたいと、三法行を実践する人が出てきました。
無農薬家族園の野菜を使って
「食と器のまんぷくの会」で天華食を取り入れるようになると、スーパーの食材よりも大自然のエネルギーをいっぱい吸収した無農薬家族園の野菜でと思うようになりました。三法行を始めたばかりで、無農薬家族園にも興味を持つ方に「教えてください」とお願いすると、畑もお借りできたのです。
皆が笑顔に
その方は、私の格好が、職場は料亭で和服、天の行事はスーツ、畑はジャージで赤ちゃんのような帽子を被っているのがギャップがあり過ぎて滑稽だと、それだけで笑いの連続でした。
その方もやがて無農薬家族園の認定をいただき、楽しく活動をし、皆さんに方も喜ばれるようになりました。天華食無農薬家族園のお野菜は、野菜のうまみ、香りがぎっしり詰まっていてみずみずしくて、地元でも大活躍。召し上がる皆さんのお顔がまた笑顔で、それを見ているだけですばらしいのです。
法筆を行う方も次々と
こうしてよろこびの中で人のために活動をしてくると、家の中の空気がさわやかで部屋が広く感じたものです。法筆もスムーズにでき、一緒に楽しく法筆を行う人も次々出てきました。
私の原点は、大自然の法則をつかさどる天と出会い「人々を救うために生まれてきた」というおもいです。
天職にたどり着いて
こうして無理をせず、水の流れに身を任せるように自然体で喜んで歩んでくる中で、天華食無農薬家族園の関連で、天職にたどり着くことができました。
これからも、世の全ての方々が大自然の法則に沿った生活ができるように、お手伝いをさせていただきたいと思っております。皆さまとご縁のある日を楽しみにしています。